小浦猛志(小浦武志): 2010年8月アーカイブ

さて、ファイナルセット

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2シングルス、1ダブルスで争うチームマッチ。全国高校団体戦と同じ。違うのは、単復試合が可能(同じ選手)。

今回の最強豪チーム 対ベラルーシ。第一試合は、誰もが破れ、
170位の吉田選手が失うモノ無しと果敢に挑み、4−6、7−5と30位のバルバンシコワをタタキ潰すチャンス到来。すでに1時間半を超えていた。ファイナルセットは、ノータイブレイク ロングセット。

作戦は、"相手のフォアーを潰す"。

あとはメンタル勝負。相手も必死!! ここでベンチワークは、メンタルとフィジカル一気にたたける相手ではない。強烈な打合い、ラリーが予想される。

どんなメンタルが必要か?

答えは、"大ゲンカ"怒りが必要と判断。

どんな状況でも目の前のワンポイント、"サーブどうする""リターン何をする"0−40でも40−0でもワンポイントへの作戦と怒りを確認しプレーに入れ、先の結果に入るなとアドバイス。

ファイナルの始まりで決まる。インターバル90秒の(その当時)60秒が過ぎた時、主審が"Time"とコール。立ちかける吉田選手に私は、"立つな!!"とどなった。"エッ!!"と言う吉田選手。"本気でケンカする怒りは有るか? なかったら勝負にならない!! その気になるまで時間が来たからって立つな!! " 主審が "15second" とコール。

短いが長く感じられた

ついに、1分30秒の時間が過ぎて、" Japan Delay to the game warning"と来た瞬間、彼女はタオルをベンチにタタキつけてコートへ、戦場へ向かった。

その眼は、彼女の決意に光っていた。延々のサーブキープ、両者は勝負を超えた"無心にボールを追いボールと戦う、時間は共有した"一言のアドバイスも両ベンチ共出来ない。
水とタオルとホットクリームで脚のマッサージ、隣のベンチも同じ。それから2時間を過ぎ、吉田サーブの9−10、30−30オールで事が起きた。


1枚の大きな葉が吉田のバックコーナー付近でラリー中に落下。相手のボールがその葉にふれて空振り、0.1秒の明暗だった。

彼女は何が起きたかわからなかったが、イージーボールの空振りは今迄の超集中力を失い、バルバンシコワに百倍の勇気を与えた。

3時間50分の死闘でたった1本のマッチポイントでゲームセット。

ボールへの怒り戦いは私流の"集中力"。

練習で彼女はやっているから試合で出来る、吉田選手は一時世界ランク50位まで上がり、グランドスラム常連であったが、その後ランキングを落とし長くスランプにあったが、この一戦で敗戦とは言え多くを学び、それから一年、ウインブルドンで予選を勝抜き、再びグランドスラムに姿を現し、挫折を乗り越え、29歳迄長い長い現役生活を続け、引退後大学に進学。30歳にしてピッカピッカの大学生となり、環境学を専攻し、見事卒業。

今、セカンドキャリアは、テニスを指導のかたわら、地球環境問題に取り組んでいる。

ボールと戦い続けたテニスプレー魂を今、病める自然環境へとうにゅう。ジュニア卒業後、プロ生活に入り、テニス、テニスに明け暮れ、旅から旅のツアー生活を終え、人生に忘れ物をしない様、20代後半から大学へ行き、勉強をした選手達は沢山おられる。


若年でプロ転向が目立つ昨今。ジュニア達よ、ラケットは一生の友であるが、競技生活は一生の一部。時が来たら生涯教育も大切を忘れない様に。又、昨今の超高速テニス、生き残るには練習だけではダメ。アスリートとして、スポーツに感性に知識を深め、知識をしぼらないと夢は夢のままに時間が過ぎる。10年を超えるテニスプレーヤーとしての歴史を大切に、来シーズンに期待を

世界中、どこに行ってもテニスコートのキャンパス(画版)は同じコートサーフェイスで描く絵が変わる。次回は、コートのキャンパスにもどんな個性的絵画を描くか?をお送りします。






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フェドカップ火事場で学ぶ

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40年を超えるコーチ経験、国内、海外はもとより個人戦、チーム戦、ジュニアからプロや一般になるまで一環してサポートした選手達。

練習から試合まで観て、見て、視て、診尽したが、現場はいまでも興味津々。変化と進化の宝庫である。周囲は私に本を書いて残せと言うが、このバカには整然と書くのは無理。思い出すままに私流私語で書いて行きます。

さて、フェドカップ '96年 対ドイツ戦有明の死闘で快挙遂げた選手達が、その後相次いで引退。杉山以外、次の選手が低迷。次の有望株をとグランドスラムを中心に年間約9ヶ月世界中を飛びまわり、選手の尻をたたき、次なる敵の情報収集に一点集中。それが少しの実りを見せ、浅越、森上、小畑、佐伯、吉田等が、グランドスラムへ登場。大黒柱の杉山の影響力は、大変なモノだった。

チームはワールドカップから、アジア・オセアニア予選でもがいていたが、有明でのアジア予選に中国(今のジャンジーがメンバー)に勝ち、ワールドグループ2部に上がり、ワールドグループ1部八ヶ国入りへの強豪相手にオランダで戦うチャンスが巡って来た。

結果は、2部(八ヶ国残留)で終わったが、1週間連続のベンチワークはヘトヘト。全国高校団体戦のチーム監督の大変さを改めて痛感。先生方、毎年毎年ご苦労様です。さて、この時のベンチワーク何が起きるかわからない。

フェドカップ 対ベラルーシ(ズベレワ 12位 バルバンシコワ30位)強敵中の強敵、勝てば1部へのチャンスが見えてくる一戦!試合直前のウォームアップで、"愛ちゃんが故障" 本人はやると意気込んだが、トレーナーと相談 "やれば傷がひどくなりダメ"の診断。

オーダー変更は30分前まで、残り5分の出来事で、吉田を使い、30分後に試合。バルバンシコワ30位 VS 吉田170位。心の準備も出来ない170位に"何をアドバイス"。テニスの試合には必ず戦いのテーマ、定石が有る。

強烈に当るFirst 20 minutes(最初の20分)中盤にたたき、最後はたたきつぶせは常識。相手が誰であれ、この強烈さが、心の火が、ロブを上げようが、強く打とうが、コートに入る直前、クールorホットタイプに関係なく心の準備が不可欠。

突然の出場でパニックの170位。間違えば、強豪30位の強烈なパンチを食らい1時間ももたない。おまけに、ダブルスで選んでいるから、ここ何日かダブルス練習に専念。"何かあるはず"と必死で探すが、そんな名案は浮かばず(笑)。

こんな時選手は、"大変、やる気に火をつけるのが大変。負けたらどうしよう、責任は・・・等々、不安があとをたたない。"

パニック状態マイナスゾーンにいる選手が一転、プラスゾーンに持ち込むのは不可能と気付き、コートに入る道々に"吉田、ファーストセットはウォームアップ、0−6でOK!!やる気になったら声をかけて、そしたら作戦を伝えるから!! "と年寄がそっとウインク。ついでに、"ユカ、顔引きつってるよ、この世でおきた事は、この世で納まるよ。テニスの試合で命は落とさない。やる気になったら、OKと言って!!"

主審の"5 minutes warm up"の声がひびき始まり、凄い選手でした。5分のウォームアップで眼光が変わった。"やる気や、これはケンカを売れる"と思いました。

ウォームアップが終了。ベンチに帰って来た時、"OK、監督作戦は?"と来た。ところが、こっちはファーストセットは相手を看破るつもりだったので、"策無し状態"エッどうしようと困ったけれど、とっさに"ユカ、相手のフォアーとバックどっちの球が打ち易い?"と聞いたら、"フォアーの方が弱そう"と返ってきたから、すました顔で"そうそう、あいつバック得意、全部フォアーに打って行こう。100%サーブもリターンもフォアーへ集めろ!!"で試合開始。


勝とうが負けようが、集中力を短時間に上げるのは一カ所狙いがベスト。チェンジコートでは、オレの言う事信用出来るフォアー、フォアーの一点張り。

実際、相手はフォアーが弱点だから効果があらわれ、ファーストは落としたが、セカンドから一進一退のクロスゲーム。ついに5−4でリード。ターニングポイントがやって来た。サービングフォー 2end セットでベンチに帰って来た。ここで、私は"サーブフォアーへ一気にたたけ"と余計なケシカケをして失敗。超真面目な吉田選手は、緊張してファーストサーブが突如入らず、アッと言う間に5−5。

ヘッタクソベンチコーチの一例です。あとは神だのみ。

"たのむからこのゲーム、リードして"とベンチで心の叫び。何と6−5でベンチに帰還。続くサーブ、ゲームのアドバイス皆さんどうします。とんでもないアドバイスをしました。

選手はこのゲーム取ったら、一ゲームが欲しいと先の結果に入ります。テニスは、ワンポイント、First pointの戦術を考えさせる事です。

90秒のインターバルで、ド真剣な吉田選手に"ユカ、宇多田ヒカルの歌、なんて曲だったっけ"First Loveが大ヒット中でした。

足のフクラハギにホットクリームでマッサージ中に"メロディーは出て来るが、曲の名前が"と世間話。

"ナーニィッ ソレ""いいから落ち着け、曲名知ってる。"とかけ合い、数秒後ニッコリして"First Loveでしょう"それそれ、ここは仕切り直してFirst point、超危険なカケでしたが大当たり。

7−5でセカンドを取り、ルンルン気分でファイナル。長時間の試合に突入。

本物の勝負は次回に話します。






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皆さん、グラスホパーってどんな意味かご存知ですか?

そうです。バッタ 夏の虫です。それにしても、暑っいですね。その猛暑の中、全国47都道府県から12歳以下のテニスの"バッタ"が夢はウインブルドンを合い言葉に、グラスコート佐賀テニスクラブの芝生に群がってます。

私は、仕事で全国に出かけます。Jr育成、強化が主たる目的です。どこに行っても協会の首脳部、関係者、両親はグランドスラム聖地ウィンブルドンが出てきます。テニスをする人に取っては、憧れの地でしょう。次のアドレスにアプローチして下さい。http://gcs-tc.com/

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16面の芝生コートが日本に有ります。1970年代日本中がクレーコートからハードコートに激変した時代に、本クラブ創始者 故 緒方勝徳氏(佐賀県陸上連盟会長)九州の陸上競技界の重鎮が、"テニスコートを造るなら聖地"ホンモノ"を求めて渡英。ウインブルドンの芝生にふれ研究に研究を重ね、1975年10月、天然芝コートを完成。35年を経た今、16面の完備設備された言葉では表現されない緑が目前に広がってます。

そのコートは、本年聖地ウィンブルドンT.Cの興味を引き、会長以下20名様が来訪しました。アジア(極東)の地にとんでもない感動の地が有る。彼等は、伊万里有田唐津を焼物の町として良く知っており、佐賀の伝統工芸歴史も良く知っていたが、まさか自分達のウィンブルドンと同じモノが有るとは"オドロキと感動"最高のお洒落なオリエンタルテニスツアーを楽しまれました。

でも今、グラスホパー全国ジュニアテニスに参加している選手128名と9地域の代表コーチ達は、天然芝のコートから強烈なインパクトをもらい、猛暑の戦いが続いています。
テニスに必要なテニス外の教育が試合後(ベスト3set)も続く。

テニスは強いに越したことはない。
しかし、相手やまわりに不愉快な印象を与えてはならない。
私は、必ず反省する。
そして、テニスプレーヤーとしての資質を無限に高めたい。

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有田焼のタイルに焼き上げられた一字一句ともすれば、ベテラン、オールドプレーヤー達も忘れがちな、テニススポーツの原点を子供達に伝えるこの大会。
見た目は、この上もなく優しい寝っころがりたい芝上。ラケットとボールを持った瞬間、キバを剥く芝目。相手が1人でもてこずるテニスに足下にもう一つの敵が出現。それでも芝生のコートは皆つきない楽しさ面白さがあると言う。

あと三日で子供達は、どれ程の変化進化があるだろう。

勝者に栄光あれ。
  その語れざる汗と涙に
      さらなる栄光有れ

壁面とチャンピオンボードに残る創始者の言葉に選手もスタッフも勇気とエネルギーを頂き、頑張っています。

ご声援よろしく。



選手、監督、指導者の皆さん、本当にお疲れ様でした。

特に沖縄インターハイ、日本テニス最古の戦場第100回記念大会の開催は大変でしたと感謝申し上げます。又、連続してある大阪の全日本Jrへの移動は、A.T.P--W.T.A並の真夏のツアー、ゆっくり休養を!

テニスファンの皆様、ご存知でしたか?全国高校テニス選手権(個人戦)は、1908年大阪は浜寺と言う所で、産声をあげ、戦争で2回の中断があり、今年で満100周年。高校総体全種目中、最古の歴史を誇ります。

まだ有ります。1908年インターハイスタートの12年後、世界をゆるがすニュースは、1920年アントワープ五輪でニッポンテニスは、五輪史上初銀メダルをシングルス、ダブルスで獲得。続く1921年には聖地ウインブルドン決勝進出、デ杯初出場、強国オーストラリアを破り決勝進出、アメリカに敗退。世界中のメディアの注目された劇的な始まりでした。

間もなく日本テニス協会も100周年を迎えますが、この偉大なる先人、熊谷、清水、柏尾、原田、太田、大先輩の血は今も脈々と受け継がれています。
テニスファンの皆様、これからも偉大なる歴史の恩恵に授かり、生涯テニスに勤しんで下さい(笑)


さて、本題。初春から真夏の陣まで選手、コーチの皆さんは、ハードスケジュールの中、沢山の試合をこなし、観てこられ、勝敗の結果、成果に各々悲喜交々の思いがある事でしょう。

テニスは、昨今沢山の試合が有り、シーズンオフ、プレシーズン、シーズン等メリハリの無い競技生活を送ってしまいます。Topになればなる程、日本中、世界中をツアー  ツアーで駆け巡る事が優先されますが、"愚の骨頂"です。


休養中に選手は伸びる、手かりが過去の歴史に注目。本当の原因を追求。

春からの半年間、最小でも10set 多ければ100set以上をこなすシーズン。選手達は、最短でも30分、長ければ3時間の熱戦の時間という歴史を刻む。

本人は勿論の事、指導者も日々の練習の全てが表現される1set One matchのゲームの歴史が、次シーズンへの課題。

"前進アルのみ"も良いが、試合過多ポイントランキングへの迷走は、前途した様に"トラウマ"の育成につながり、必ず乗り越えられない壁を造る。

低年齢ジュニア時代、あれだけ活躍した選手が、大人になりプロ一般学生で"何故勝てない"と歴史が繰り返されるのは、いつの時代も世界中にある事です。

今、どのスポーツでも潜在能力、コーディネーション等心身の能力が叫ばれているが、私流に言うとこれらの能力は、後天性のモノ。"トンビがタカを生む"のたとえで遺伝はない。"カエルの子はカエル"は、二世選手が沢山いる。

試合を沢山こなし結果を求めても、練習現場で新しい技や戦術を教えても、"選手は試合でなかなか実行出来ない"。当り前。

"勝ちたい一心の選手に求める方が悪い"その結果、選手は自分の好きなプレーを実行、サーブポジションを50cm変えれない、いつも同じ場所でレシーブ、こんな簡単な事が出来ない。4−4allの局面で、30−30で、ゲームポイントでせり合いになればなる程に同じ繰り返し、嘆き節が蔓延!! 

じゃーどうすれば改善される。練習は、技と術の"コーディネーション"、神経回路の構築です。

皆さん、マッチコーディネーション(私語)を言う言葉に何か気付きがありますか。確かにゲームセンスと言う能力、感性は低年齢で急速に開発されますが、結果を求めて若年層に試合をさせ過ぎると、身体能力や心理(メンタル)にかたよりが出来ます。ジュニア時代の試合は、最高の練習です。
0−6大敗は大敗のショック、6−0の大勝は楽勝、各々のインパクトが。6−7又は7−6の競り合いは、強烈なインパクトが心身の神経に残ります。

例えばこんな話しを耳にします。"新しい技と術を練習したので、ワンランク上の試合でトライさせます"って!! 背伸びはSTOP、ライバル(目の前)や同レベル又は格下でやらせる事が重要です。何故"敗けれない相手としない""敗けを恐れてどうする"気が付かないのが過保護!!

私が取った最高(自慢話しゴメン)の育成戦略は、"この試合は今日で終り。"

ある選手が初陣"全日本テニス選手権"なんと予選を勝抜き、アレヨアレヨで準決勝。明日はいよいよ有明のセンターコート。誰もが期待するのは当り前。勿論、私もです。

が!! 準々決勝後の対戦相手対策を照明練習時に選手の異変に気が付き、"明日の試合はもういい、敗けてもいいからフットフォールトだけ注意しよう。その練習をセンターコートで!! "
"サーブミスとレシーブミスは観客に失礼、面白くないから気を付けて、全日本や名だたるグランドスラムは将来幾らでもチャンス有るよ"その後、見事にフットフォールトは影をひそめ、ビッグプレーヤーに。
本当にやめて次に期待する選手はもっと凄い。皆さん、ビックイベントで、どんな学び方をします?

クールに観戦する事も大切です。この機会にこの半年のトータルゲーム数、取得何ゲーム、落としたゲーム何ゲーム等、勝ゲームVS敗ゲームの単純な比較をパーセンテージ、又私のブログの5月頃にトータルポイント、審判のジャッジペーパーから学ぶを参考に、来シーズンに向け活動開始です。
"まだ終わらない。始まりは、気付きから"グッドラック。

次回は、又フェドカップ。火事場から学ぶを紹介します。


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皆さん、フェドカップをご存知ですか。
男子のデ杯、女子のフェドカップは、ナショナルチーム国別対抗戦です。
毎年100数カ国が参戦し、国の誇りをかけ戦います。是非、応援して下さい。詳しくは、J.T.Aホームページで。

1997〜2004(01〜02を除く)6年間監督をつとめ、世界をかけ巡りましたが、神経がすりへり頭髪が白くなりました。テニスで唯一、試合中にベンチコーチが出来る試合です。
通常、試合中は選手へのコーチングはダメで、客席から一喜一憂し観戦しますが、"フェド、デ杯"だけは、監督も戦場の最前線ベンチで、状況判断し現場指揮に当ります。

拮抗する戦いの流れを読み、一瞬のスキをツキ、悪魔の如く繊細にツケ込み、天使の如く大胆に選手を舞わせる!!こんなうまい事いけば楽しいデートですが、私の経験ではありえない。

アドバイスの時と内容が選手と食い違うと、デートは一瞬でパー。超危険で果てしなく長いデートです。1997 対フランス戦がデビュー、長い長い長い2日間のデビュー。

初日、2つのシングルスの激戦を落とし(内一つは、マッチポイントが有りました日本に)日本対フランス 0−2、翌2日目は、第一試合3時間50分を日本 杉山がピアスに勝ち、続く第二試合 沢松vsトージア、4時間7分をトージアに持っていかれ日本敗退(沢松に2本のマッチポイント有り)この戦いに勝ったフランスは、その年のフェドカップで優勝 世界No1。

負けた日本に残った記録は、フェドカップ史上最長時間(今も)だけ。
3試合にマッチポイントを握り、一つしか勝てなかった日本、しかもホームで、おまけに相手はその年の世界No1の歴史を刻む。"敗戦の兵 将を語らず"のデートでした。

監督のベンチワーク一つで選手が舞い時には歌わず、言葉で表現出来ない負と正の資産というエネルギーを過酷な戦場から、選手から、スタッフから頂きました。"試合に勝って、勝負に負ける"この一敗が莫大な負の資産が、今もエネルギーとなり、コーチの職を続けさせてくれています。

さて、この試合である選手が、長い長い長い試合の最中、チェンジエンドのベンチで、悲痛な思いで叫びました。"監督、もうダメ、もうきつい、集中力が切れそう!! 作戦、作戦は?!"でした。

延々と続くサーブキープ状態、両国監督共、ある集中ゾーンに入った選手に手が出せない状況でした。相手監督は、元フレンチチャンピオン ヤニック・ノア、前年のデ杯No1監督、経験豊富な彼すら手が出せなかった。

その時の悲痛な一言、選手にどう答えるべきか、時間はたったの90秒、私が言ったアドバイスは、"秘策は今は使えない。負けたら俺が責任を取る、貴女の責任はベストを尽くし、ボールと戦う事だ。"集中力を途切らさない事しか戦術になかった。

"負けたかったら負けてもいいよ"とケシかけたら、彼女は一瞬で私の腹を見透かし、ベンチにタオルをたたきつけ、負けじ魂大爆発、超集中ゾーンで戦場に向かった。

時は過ぎ、強烈かつ悲壮な戦いは、ニッポンリードで9−8に、私は勝負の時が来たと思い、"この作戦は1回しか使えない。相手はずっとサーブダッシュ戦法だから、レシーブをセンター ボディへ持って行き、絶対パス出来るボールは、ロブを使え"ワイドにサイドにリターンをやめさせ、センターセオリーを使った。なんと見事に当り、15−40のマッチポイント。大観衆の声で、ベンチサイドで"そのままで行けの声が選手に届かない"

次の2ポイントは、"エッとビックリ"作戦を忘れて、サイドワイドに勝負に出てミス!!これ程の選手でも、マッチポイントの現実に魔性のポイントに負けるのか、今迄の超集中ゾーンから現実にひきもどされるのか、その瞬間マッチはイーブンに、もう運を天にまかせるより無し。

でもさすが沢松であったのは、マッチポイントを落としたのにもかかわらず、気落ちする事なく、長時間の時は過ぎ、17−15でトージアに運が行ってしまった。

その前の杉山vsピアース戦、杉山もセカンド5−3リードのマッチポイントを落とし、追いつかれて1セットオール、これも気落ちする事なくファイナルセットでたたきつぶした。

両選手共、共通している所は、"限りなくボールと戦い、常に自分と戦う事を基本としている"そして、自分の技以上の戦術は使わない。

一発で大量得点につながらないテニス。サッカーの1点とは比較出来ないボールゲーム。蝶のように舞い蜂のように刺す、コートの華達のビックプレーは、地道な練習の成果(華)と言える。フェド緒戦敗戦から学ぶ。

文中、時々人名が出てきます。生々しい事を書きますが、お許しを願います。次回も、体験、経験から学んだ事が出てきます。



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ご質問への回答

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ご質問を頂きました。

「15歳位まで在籍していた、民間クラブの教え・・・」
初期の指導がとても大事だと思います。
 
・サーブ
初心者のジュニア、一般の方へのサーブの導入の際、まず何を大事にするべきでしょうか?
 
・フットワーク
スプリットステップ、広いスタンスは、初心者のジュニア、一般の方にいつ頃伝えていくべきでしょうか?
 
 「レシーブ時の前後左右ポジションの揺さぶり、駆け引き・・・」
今まで、レシーブ時のポジションの事での指導を聞いたことがなかったのでもう少し詳しく教えて下さい。




小浦猛志より回答

今回の質問は、言葉での説明では多分難しいですが、要点だけ回答します。
いずれレッスンDVDを作成する予定です。

サーブ
(1)
一般的に言われている導入は、野球のボール投げ。
この時のポイントは、利腕の反対の腕を投げる軌道方向にしっかり使う事。ボールを持った腕だけを使うのはダメ。両手をしっかり使う事。適切なスタンスで、バランスよく立ち、リズミカルにタイミング良く、一番遠くへ投げる軌道を確認してから、約1秒、ワ〜ン、ツーのタイミングで投げる。
その他に、2回連続シャドースローイング、3回目に投げる(途中でやめない)

(2)
左、右に2個のボールを持ち、同じ様にトスアップ、ボールスロー

(3)
これが出来たら、ラケットを持ち、2回連続シャドースイング、3回目、トスアップ、ヒット!!

なれたら、2回目にトスアップ、ヒット

最後は、1回でサーブ

必ず、1ユニットで練習。分習的にやると神経回路がとぎれ、後々大変な苦労でやっかいな事になります。解るかなぁ?!



フットワーク

前後左右に動くフットワークじゃ、初期が動き作りの重要点。

基本的には、スプリットステップ(パワーポジション、ボレーレシーブ時に使う)をしたら、右へは右足、左へは左足が初めに動くのが最適です。

これは最初から口うるさく言う事で、右側への第一歩は、必ず右足から(大小にかかわらず、左側へは左足 ボレーでもストロークでもこの動きは、大切。又、特に最近、オープンスタンスで打つと、片足で打ちますが、これは時としてOKですが、前後左右に動いても両脚をしっかりスタンスを取り打つ事と"スベって走る、打つな"は絶対基本)


レシーブポジションの決定

これは、大変重要です。テニスは、サーブで始まりレシーブで成立します。
フェデラー vs ファージャ戦で述べた様に、サーブを如何にくずすかがテニスのスリル妙味です。その為に
(1)    相手のサーブポジション
(2)    右利き、左利きで角度が違う
(3)    サーブのクセ(フラットは、スピンは、スライスは等々)
(4)    当然身長は高い、低い
これらをスピード、軌道予測(仮想線)や放射角の一番反応しやすいポジション、距離(前陣、中陣、後陣等)を決断、トスアップと同時に微妙な動きを仕掛ける事は、非常に大事です。

シングルス、ダブルスのラリー時の動きを超縮小した、大胆かつ繊細な0.1秒の明暗は、初心者の頃から伝えて下さい。


この質問は、映像があれば解り易いと思います。DVD作成までお楽しみにicon:face_smile
 


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さて、今週山本トレーナーが論ずる、"肩甲骨×骨盤リズム"

以前、私(小浦)が述べた事も有るが、コーチの皆さん(選手は勿論)、この章はとっても大事な所です。

人間や動物迄もが、動くパワーを発揮する時の絶対基本機能です。

トップアスリート程、背中が大きく見えるのは、この機能をフルに活用するテクニックを習得しているからこそ。
強烈にして、ダイナミックに繊細に、パワーを発揮します。

陸上競技を断念し、アスリートのトレーナーとしてデビューしたての山本トレーナー。テニスがどんな競技かも知らなかった。
彼に会った頃、私は直感でこのトレーナー使える。選手を追い込める資質有りとみました。

その理由は、"スピードを追求するドン欲さと知識を知恵で表現出来る"。テニスのコーチが要求すればする程、0.1秒のレベルアップの手法を考えて、知恵をしぼれる感性の高さを若いのに持っている。と判断しました。

それが前回のビックリデビュー手記!!

今回、4WDと言う、独得の今様の表現で肩甲骨と骨盤リズムを述べています。

猛暑の中、現場は大変な事でしょうが、この機能は、老、若、男、女を問わず、動きの原点。サーブ、ストローク、ボレー、スマッシュ全てのショートのゼネラルコーディネーション(基本運動)自分で動いてみましょう。

パワーポジション(普通の姿勢)が悪い人は、バランスが悪く、力が伝わりません。おそらく、自分の身体で経験したコーチは、沢山の理論のナゾが一気に解けるでしょう。

今回は、パワーです。次回は、スピード、テクニックを表現してくれます。
パワー&スピードは、究極です。





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試合 戦場への取組方Ⅰ

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"練習は試合の如く、試合は練習の如く"。当り前の事が中々出来ない。だから、量で練習を作ろう。

※ 日頃の練習は質が全て。2〜3時間もやれば十分

※ 特に16歳位までは、2時間平均。良くやっても3時間。

※ 月月火水木金金は最悪。必ず一日は積極的休息(テニスはやらず、トレーニングのみ)完全休養(練習なし)脳と筋肉と神経をバランス良く鍛える。

※ テニスは、0.1秒を争う。超高速ゲーム"スピード"が全ての課題。ハイパワースピードを中心の練習は、とてつもない集中力が必要。この質を追いかける。能力開発、パターン練習は限界。自分で自分の能力開発に劣る!!

全てのゲームにおいて、"如何なる最善策を用いても、最高の結果を得る保証無し、されど最善をつくさずば、後悔が残る"。

"舞台、相手、結果"等々と戦い、もがき、苦しむ選手達、それをサポートするコーチ達の戦いは、途方もない長い苦と一瞬の楽がある。

"最善を尽くすボールと戦う選手"を練習で求めます。

前出の椙棟トレーナーが、別紙のような言葉をくれました。「勇気」どんな「勇気」があるか。ケースによって一杯有るが、題して"「勇気」というゲーム!"

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この1枚でフェドカップニッポンチームは、ある年勝利し、ワールドグループに進出しました。

勿論、偉大なのは実行した選手達。彼女達は、約半月の事前練習で「勇気」を練習し、出来た選手達でした。

全国を巡り、沢山の有望選手の練習姿勢、態度、心構えを見ますが、この選手達、練習時の「勇気」と試合での「勇気」は同じかな?!と思います。

別紙にある「勇気」というゲーム。シーズン中盤の今、少しの経験の有る選手なら必ず理解出来ます。使って見て下さい。近い将来にきっと"ホンモノ"の勇気を発揮する勇気を身につけてくれるでしょう。

練習中にイメージし、やらせる事です。又、イメージトレーニングは思う、考えるだけではダメ。思い考えた局面は、とてつもない重要局面、One Pointの重さ、戦術、フィジカル、メンタルに途方もないストレスと言う重さがかかるのがイメージトレーニング。それが練習中に出来れば、"試合が見えてきます"。


さて、幾通りかのケースを紹介しましたが、選手は、12、14、16、18歳から一般へ、愛好家も初心、初級、中〜上級へと成長して行きますが、その過程で、技も戦術もメンタルにもクセとか、トラウマと言う歴史を刻み続け自分の身心に残します。

"Enjoy Always Smile" 日本語で、禅宗に"無事是貴人" 貴い人、達人には何が起きても何事もなかった様にふるまう難しい事です。

試合中は、フェド監督時代、アウェーの試合で初陣選手がランキング150位以上の差の有る選手と当り、開幕第一試合で直前に大緊張。第一セット、1−4のコチコチでパニック。

作戦も何も無い状態で、どんなアドバイス90秒のコートサイドのベンチでデートは私も参りましたが、逆転の発想がふっと頭を横切り、思わず"これからどうする?"と質問しました。

答えは、"頑張ります。"

私のアドバイスは、"ダメ!!アテにならない。このセット捨てろ!!ついでに、心のシャイ、焦り全部捨て1−6で帰って来い。絶対勝てる秘策は、第二セットからの仕切り直し。このセット捨てろ。"

ナイスアドバイスでした!!

続く第二セットから、"相手を視ろ。必ず相手のいる所へ打って 打って 打ちまくれ"

 秘策その通りに実行してくれたので、相手がおかしくなり、打ってる方も自然にオープンコートが見え、エースにつながり、セカンドからは見事に立ち直り大事な1勝を上げ、ワールドグループへの道を切り開いてくれました。

次回は、フェドのベンチワークより。




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