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フェドカップ火事場で学ぶ

40年を超えるコーチ経験、国内、海外はもとより個人戦、チーム戦、ジュニアからプロや一般になるまで一環してサポートした選手達。

練習から試合まで観て、見て、視て、診尽したが、現場はいまでも興味津々。変化と進化の宝庫である。周囲は私に本を書いて残せと言うが、このバカには整然と書くのは無理。思い出すままに私流私語で書いて行きます。

さて、フェドカップ ’96年 対ドイツ戦有明の死闘で快挙遂げた選手達が、その後相次いで引退。杉山以外、次の選手が低迷。次の有望株をとグランドスラムを中心に年間約9ヶ月世界中を飛びまわり、選手の尻をたたき、次なる敵の情報収集に一点集中。それが少しの実りを見せ、浅越、森上、小畑、佐伯、吉田等が、グランドスラムへ登場。大黒柱の杉山の影響力は、大変なモノだった。

チームはワールドカップから、アジア・オセアニア予選でもがいていたが、有明でのアジア予選に中国(今のジャンジーがメンバー)に勝ち、ワールドグループ2部に上がり、ワールドグループ1部八ヶ国入りへの強豪相手にオランダで戦うチャンスが巡って来た。

結果は、2部(八ヶ国残留)で終わったが、1週間連続のベンチワークはヘトヘト。全国高校団体戦のチーム監督の大変さを改めて痛感。先生方、毎年毎年ご苦労様です。さて、この時のベンチワーク何が起きるかわからない。

フェドカップ 対ベラルーシ(ズベレワ 12位 バルバンシコワ30位)強敵中の強敵、勝てば1部へのチャンスが見えてくる一戦!試合直前のウォームアップで、”愛ちゃんが故障” 本人はやると意気込んだが、トレーナーと相談 ”やれば傷がひどくなりダメ”の診断。

オーダー変更は30分前まで、残り5分の出来事で、吉田を使い、30分後に試合。バルバンシコワ30位 VS 吉田170位。心の準備も出来ない170位に”何をアドバイス”。テニスの試合には必ず戦いのテーマ、定石が有る。

強烈に当るFirst 20 minutes(最初の20分)中盤にたたき、最後はたたきつぶせは常識。相手が誰であれ、この強烈さが、心の火が、ロブを上げようが、強く打とうが、コートに入る直前、クールorホットタイプに関係なく心の準備が不可欠。

突然の出場でパニックの170位。間違えば、強豪30位の強烈なパンチを食らい1時間ももたない。おまけに、ダブルスで選んでいるから、ここ何日かダブルス練習に専念。”何かあるはず”と必死で探すが、そんな名案は浮かばず(笑)。

こんな時選手は、”大変、やる気に火をつけるのが大変。負けたらどうしよう、責任は・・・等々、不安があとをたたない。”

パニック状態マイナスゾーンにいる選手が一転、プラスゾーンに持ち込むのは不可能と気付き、コートに入る道々に”吉田、ファーストセットはウォームアップ、0−6でOK!!やる気になったら声をかけて、そしたら作戦を伝えるから!! “と年寄がそっとウインク。ついでに、”ユカ、顔引きつってるよ、この世でおきた事は、この世で納まるよ。テニスの試合で命は落とさない。やる気になったら、OKと言って!!”

主審の”5 minutes warm up”の声がひびき始まり、凄い選手でした。5分のウォームアップで眼光が変わった。”やる気や、これはケンカを売れる”と思いました。

ウォームアップが終了。ベンチに帰って来た時、”OK、監督作戦は?”と来た。ところが、こっちはファーストセットは相手を看破るつもりだったので、”策無し状態”エッどうしようと困ったけれど、とっさに”ユカ、相手のフォアーとバックどっちの球が打ち易い?”と聞いたら、”フォアーの方が弱そう”と返ってきたから、すました顔で”そうそう、あいつバック得意、全部フォアーに打って行こう。100%サーブもリターンもフォアーへ集めろ!!”で試合開始。

勝とうが負けようが、集中力を短時間に上げるのは一カ所狙いがベスト。チェンジコートでは、オレの言う事信用出来るフォアー、フォアーの一点張り。

実際、相手はフォアーが弱点だから効果があらわれ、ファーストは落としたが、セカンドから一進一退のクロスゲーム。ついに5−4でリード。ターニングポイントがやって来た。サービングフォー 2end セットでベンチに帰って来た。ここで、私は”サーブフォアーへ一気にたたけ”と余計なケシカケをして失敗。超真面目な吉田選手は、緊張してファーストサーブが突如入らず、アッと言う間に5−5。

ヘッタクソベンチコーチの一例です。あとは神だのみ。

“たのむからこのゲーム、リードして”とベンチで心の叫び。何と6−5でベンチに帰還。続くサーブ、ゲームのアドバイス皆さんどうします。とんでもないアドバイスをしました。

選手はこのゲーム取ったら、一ゲームが欲しいと先の結果に入ります。テニスは、ワンポイント、First pointの戦術を考えさせる事です。

90秒のインターバルで、ド真剣な吉田選手に”ユカ、宇多田ヒカルの歌、なんて曲だったっけ”First Loveが大ヒット中でした。

足のフクラハギにホットクリームでマッサージ中に”メロディーは出て来るが、曲の名前が”と世間話。

“ナーニィッ ソレ””いいから落ち着け、曲名知ってる。”とかけ合い、数秒後ニッコリして”First Loveでしょう”それそれ、ここは仕切り直してFirst point、超危険なカケでしたが大当たり。

7−5でセカンドを取り、ルンルン気分でファイナル。長時間の試合に突入。

本物の勝負は次回に話します。



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